よくあるご質問について(一般財団法人順天厚生事業団)

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よくあるご質問

1.健康診断一般

現在39歳なのですが、40歳からと聞いていた胃部X線検査が健康診断の項目に入っています。どうしてですか。
定期健康診断の対象項目は当該年度の3月末日の到達年齢により決まります。 現在39歳であっても年度末までに40歳になられる方には胃部X線検査・血液検査・便潜血反応検査・心電図検査・腹囲測定が従来の項目に加わることがあります。
定期健診を受けるときの注意点にはどんなことがありますか。
定期健康診断の各種検査は、精密検査が必要な方をふるいわけるために行います。定期健康診断の検査の診断には限界があって、精密検査に比べれば検査精度が劣ります。 検査で異常が見つかったときは、必ず精密検査を受けてください。また、定期健診時の検査で異常が指摘されなくても、検査後に自覚症状が出た場合は、精密検査が必要な場合があります。 精密検査には、胃・大腸内視鏡検査、CT検査などの種類があります。 医師にご相談のうえ、その指示にしたがってください。
健康診断の前日の食事について、注意することはありますか。
健診前夜の夕食は、午後9時までに消化の良いもので済ませ、それ以降は検診当日の朝まで飲食は避けてください。ただし、脱水予防のため、検診当日の朝7時までは水は摂取可能です。検診当日の朝はコップ1杯程度までとしてください。 飲酒は、胃部X線検査をされる方はお控えください。血液検査の場合は、いつも通りでかまいませんが、夜更けまで飲酒をされると、肝機能や中性脂肪に影響する可能性があります。飲酒は早めに切り上げられることをお勧めします。
健康診断当日の食事はどうすればよいですか。
胃部X線検査、胃内視鏡検査、腹部超音波検査を受けられる場合は、当日は絶食をお願いします。 血液検査については、なるべく飲食物を摂らずに受診していただきたいのですが、絶食が労働災害につながるおそれがある場合は、無理な絶食はしないでください。
健康診断当日の朝に、お茶や水は飲んでもかまいませんか。
胃部X線検査、腹部超音波検査を受けられる方は控えてください。 血液検査を受けられる方は、お茶や水を飲んでもかまいませんが、血糖や中性脂肪に影響がでるので糖分を含むものは控えていただいた方がよいでしょう。
健康診断の当日、いつも飲んでいる薬はどうしたらよいですか。
高血圧症治療中の方は、胃部X線検査を受検される方も含め、早朝コップ1杯のお水で血圧のお薬だけ内服してください。また、医師の指示により、当日服用してくる必要性がある薬については、コップ1杯のお水で、朝7時までに飲むようにしてください。 糖尿病のお薬、その他のお薬については、健診後にお飲みいただくほうがよいでしょう。
心臓ペースメーカーをつけていますが、健康診断を受けても大丈夫でしょうか。
健康診断においてペースメーカーに異常をきたすことはありませんが、心電図検査や胸部X線検査、体脂肪測定を受けられるときはスタッフにお申し出ください。 なお、マンモグラフィ検査については、心臓ペースメーカー装着者に対しては行わない方がよいとされてます。
人工透析中ですが、健康診断を受けても大丈夫ですか。
健診を受診することは可能ですが、受付時にスタッフに必ずお申し出ください。血圧測定、採血はシャント肢でない方で行います。
健康診断の結果はどのくらいで出ますか。
通常2週間でご報告いたしますが、内容によっては3週間いただくこともあります。 なお、検査結果について、緊急性があると医師が判断した場合は、全体の結果報告を待たずにすぐに電話連絡いたします。
健康診断に要する時間はどれくらいですか。
受診項目にもよりますが、お一人お様おむね30分間です。
定期健康診断を受診すれば、どんなことが分かりますか。
健康診断では、一般的には次の検査を行います。
①血液検査:貧血、肝臓の異常、腎臓の異常、生活習慣病(糖尿病、脂質代謝異常)などが分かります。
②尿検査:糖尿病、腎臓の病気などが分かります。
③身体測定:身長、体重からBMI値を計測して、やせているか太っているかが分かります。
④胸部X線:肺炎や肺癌、胸水貯留など、呼吸器疾患の有無などが分かります。
⑤心電図:心臓の働きをみる検査です。
⑥血圧測定:高血圧、低血圧などが分かります。
⑦視力、聴力:目の見え方(主に近視の有無・程度)や耳の聞こえ方を調べます。
健康診断結果の再発行はできますか。
再発行は可能ですが、有償となり、また個人情報開示請求の手続きが必要となります。納品までには1週間程度いただきます。 (手続きの仕方については【受診された方へのご案内】→【検査記録の開示等の手続きについて】をご参照ください。

2.胸部・消化器

胸部X線検査とはどのようなものですか。
胸部全体にX線を照射して変面撮影し、肺や心臓に異常な影があるかどうかを調べます。 それにより、肺がんや肺結核などの病気を診断します。
放射線が怖いのですが、胸部X線検査の被ばく量はどのくらいですか。
胸部X線撮影1回で、0.1mSv(ミリシーベルト)の被ばくがあるといわれています。しかし、私たちは普通に生活していても自然(宇宙や大地、大気からの放射線)から被ばくしています。自然放射線の量は地域により異なりますが、日本で一番高いところは年間0.88mSvであるといわれています。したがって、胸部X線撮影1回の被ばく量は心配ない量といってよいかと思います。
胃部X線(胃バリウム)検査とはどのようなものですか。
バリウムと発泡剤を飲んだ後、様々な方向から8枚程度の胃のX線写真を撮り、胃がんや胃潰瘍などの病気の有無を調べます。 できるだけきれいに写るように、写真の撮り方や使用するバリウムを工夫しています。胃全体の形や大きさ、粘膜の状態など詳しく観察する事ができます。
バリウム便がなかなか出ません。どうしたらいいですか。
検査終了時にお渡しした下剤を飲んで、水分をたくさん摂ってください。普段から便秘気味の方は、検査時にスタッフへお申し出ください。予備の下剤をお渡しいたします。 検査終了後は、普通に食事を摂っていただいて結構ですが、できれば消化の良い食べ物を摂ってください。 2~3日経っても白いバリウム便が出ない場合は、浣腸をしなければならない場合もありますので、医療機関を速やかに受診してください。また、腹部の張りや痛みが続くときも、受診してください。
検査日に朝食を摂ってしまいました。検査を受けられますか。
胃部X線検査、胃部内視鏡検査、腹部超音波検査で朝食を摂られますと、これが異物となって写ってしまいます。正確な判定ができませんので、検査は受けられません。 しかし、それ以外の検査に関しては受けていただくことができます。血液検査に関しては、食事時刻をスタッフがお尋ねしますので、何時に朝食を摂られたか、お伝えください。
便潜血検査とはどのようなものですか。
便に含まれる、目には見えない血液を調べます。 人の血液だけを調べますので、特に食事制限の必要はありません。 便潜血で陽性とは、便に含まれる目には見えない血液量が基準の値を超えているということです。陽性の方は、陰性の方より、大腸がんや大腸ポリープなどの病気がある可能性が高くなるため、精密検査が必要です。 便潜血陽性の場合、痔による出血かその他の大腸の病気による出血かは、精密検査をしない限り区別できません。 痔と考えていた症状が、肛門近くのがんによるものであったケースもあります。 したがって、痔のある方で陽性になった場合も、精密検査が必要です。痔のあることが、あらかじめわかっている場合は、便をとられる前に、飲酒をさけるなどの注意とともに、痔の治療をしておかれることをお勧めします。
排便が不規則です。便は検査の何日前から採取してよろしいか。
本来は検診予定日の当日か、前日が望ましいですが、やむを得ない場合は検査日を含めて6日以内に採取してください。
便を二日分採取できなかった場合は、一日分でもかまいませんか。
二日分採取できなかった場合は、一日分でもかまいませんから提出してください。

3.循環器

血圧測定とはどのような検査ですか。
腕に「ゴムの袋」を巻き、その中に空気を送り込んで圧をかけ、血管にかかっている圧(血圧)を調べる検査です。 血圧が高い状態(高血圧)が続くと、脳卒中・心臓発作・腎臓障害・動脈硬化などを引き起こします。 血圧は常時変動しますので、正しい測定条件のもとで計測し、評価する必要があります。例えば、運動後の測定では正確な判定はできません。
血圧がいつもより高いのですが、どうしてですか。
血圧は常に変動しています。運動や緊張、ストレス、睡眠不足などで容易に上昇します。 急いで健診会場に来られた場合や仕事で緊張している場合に高値を示すこともあります。 検査時に高い場合は、数回深呼吸した後再度測定します。ご希望であれば検査時間内で間隔をおいて再測定することもできますので、お申し出ください。
心電図検査とはどのような検査ですか。
心臓の筋肉が出す電気を胸や手足につけた電極でとらえ、それを波形として描いて心臓の調子を見る検査です。 標準の波形と比べてみて、形やリズムが違えば、心臓に異常がある可能性があります。心電図検査で心臓の異常が発見されて、命に関わる前に治療できた例も多々あります。 しかし、この検査も心臓病に対して万能ではなく、以下のような落とし穴があります。

(1)定期健診の心電図が正常であっても、心臓発作を起こす心配がないとはいえません。心臓発作を起こした人達の3分の2は、直前の定期検診の心電図に異常がありませんでした。
(2)胸がしめつけられるように痛むなどの心臓病の症状が出る人でも、検査時に症状が出ていなければ異常が出ないこともあります。

(3)心臓発作の多くは運動や興奮などで心臓に負担がかかっている時に起こりますが、定期健診の心電図は負担がかかった状態でのものではありません。

心臓発作の大部分をしめる「心筋梗塞」は、通常、心臓の筋肉に酸素を送る血管が動脈硬化によってつまることで起こりますが、これを起こす原因としては、高血圧・高脂血症・糖尿病・肥満・喫煙・運動不足・栄養過多などがあります。そのため心電図で異常がなくとも、これらがあれば、心臓発作の予備軍である可能性があるため、これらを改善するよう心がけてください。また定期健診の心電図で異常がなくても、胸が痛くなったり、苦しくなったり、動機がすることがあれば、産業医に相談するか、医療機関を受診されることをお勧めします。 なお、高血圧や心臓病を治療中の方は、それらにより心電図波形が変化する場合がありますので、精密検査が必要かどうかについては、主治医に相談して判断してもらってください。

4.血液・尿

血液検査で何が分かりますか。
一回の採血から十数項目にわたる測定が可能です。 採取した血液をそのまま検査する方法と、血球、血漿などの各成分に分離して検査する方法があります。貧血、肝障害、高脂血症、糖尿病、高尿酸血症。腎障害の有無などを検査します。
血液検査の基準値と疑われる病気は。
検査項目 基準値 疑われる病気
ヘモグロビン(Hb) 男性13.1~16.6g/dL 女性12.1~14.6g/dL 貧血症(低値)多血症(高値)
AST(GOT) ≦30IU/L
ALT(GPT) ≦30IU/L 脂肪肝、ウイルス性肝炎など
ν-GTP ≦50IU/L アルコール性肝障害など
LDLコレステロール(LDL-cho) 60~119mg/dL
中性脂肪(TG) 30~149mg/dL
HDLコレステロール(HDL-cho)※ 40~99mg/dL 高脂血症(高値)
血糖(FPG) 70~99mg/dL 糖尿病(高値)
尿酸(UA) 2.1~7.0mg/dL 高尿酸血症、痛風(高値)
クレアチニン 男性≦1.09mg/dL 女性≦0.79mg/dL 腎障害など
※善玉コレステロール
尿検査で何を調べるのですか。
尿中の蛋白、糖などによって、身体の基本情報をさぐる検査で、腎障害、尿路結石、糖尿病、肝障害などの有無を検査します。
尿検査の基準値と疑われる病気は。
検査項目 基準値 疑われる病気
尿蛋白 - 慢性腎炎、ネフローゼなど
尿潜血 - 尿路結石、慢性腎炎など
尿糖 - 糖尿病
ウロビリノーゲン ± 肝障害
血液検査・尿検査の受診時の注意点はありますか
血液検査は原則として10時間以上の空腹で受けましょう。 特に中性脂肪と血糖は食事により値が大きく変化します。数値に異常がある場合は、精密検査を必ず受けましょう。特に肥満、高血圧、高脂血症、高血糖の4項目すべてが揃った場合は、動脈硬化の有無をチェックする必要があります。また、血液検査、尿検査は全般的な健康状態をチェックするものですが、もちろん、がんを含めすべてがわかるものではありません。検査結果に異状がなくても、自覚症状のある場合や、数値が年々悪化する場合は、医療機関に相談しましょう。
血液検査は、どうして空腹でないといけないのですか。
中性脂肪や血糖の数値は、食事により上昇します。メタボリックシンドロームの診断基準でもあるため、空腹時の検査をお願いします。
採血後、その箇所が青くなりました。大丈夫でしょうか。
血管から血がもれた状態です。徐々に吸収されて数日で元に戻ります。 採血後は採血部位を指でしっかり押さえてください。また普段から血が止まりにくい方は、押さえる時間を長くしていただくとよいでしょう。
採血後、その箇所に痛み(又はしびれ)があります。大丈夫でしょうか。
1週間程度で軽快することがほとんどですが、症状が長引いたり、ひどくなるようであれば、整形外科を受診してください。 その間、重いものはなるべく持たないように、また大きな負担が腕にかからないようにしてください。
健康診断で採血しましたが、当日お風呂に入ってもよいでしょうか。
お風呂は通常どおりでかまいません。ただ、採血の部位を強くこすらないようにしてください。強くこすると内出血し青くなることがあります。 予防接種など薬液を注射された場合は、激しい運動は控え、お風呂もシャワー程度にしてください。
腫瘍マーカ値が高いとの判定でした。心配です。
腫瘍マーカの値が高かったから、直ちに「がん」というわけではありません。他の検診項目の検査結果とあわせて判断する必要がありますので、専門医にご相談ください。 逆に、腫瘍マーカの値が正常値であったとしても、「がん」がないという保証にはなりませんので、それだけで安心してしまうのは、正しい理解とはいえません。

5.女性

生理中ですが、検査はできますか。
子宮頸がん検査・尿検査・便潜血検査の結果に影響を及ぼしますので、日程の変更をおすすめします。便潜血は1週間以内の後日提出を受け付けます。 尿検査は生理中でもしていただけますが、参考値となります。所見が認められた場合は、生理中でないときに再検査を受けていただきますようお願いします。 なお、有機溶剤や鉛の特殊健康診断の代謝物検査については影響ありませんので、尿検査を受けることができます。 どうしても「生理中だから検尿をしたくない」。という方はスタッフにお申し出ください。
妊娠中です(又はその可能性があります)が、健康診断を受診できますか。
妊娠中、又は妊娠の可能性がある方への胃X線、胸部X線、マンモグラフィ、子宮頸がん、骨密度などの検査は実施しておりません。その他の検査は、お受けいただくことができますが、具体的には受診時にスタッフにご相談ください。
授乳中ですが、健康診断を受診できますか。
胃内視鏡検査を受けられる場合、薬品による母乳への影響を考慮して、使用できない薬品があります。受診当日、授乳中であることをスタッフに必ずお申し出ください。
乳がん検査は、マンモグラフィー検査だけで大丈夫ですか。
乳がん検査には、マンモグラフィ検査と超音波検査があります。マンモグラフィ検査は、乳がんの初期症状のひとつである微細な石灰化をとらえるのに適していますが、40歳未満の方や乳腺が発達した方では、判定が難しい場合があります。超音波検査は、マンモグフィ検査で見つかるような微細な石灰化を見つけることは難しいですが、マンモグラフィでは発見しにくい若い方や乳腺の発達した方のしこりを見つけるのに適しています。 お受けになる方の年齢や乳腺の状態により、お勧めする検査が若干異なる場合がありますので、おおよそ40歳未満の方は超音波検査。40歳以上の方は毎年の超音波検査と2年に1回の、マンモグラフィ検査との併用調査、マンモグラフィ検査と超音波検査を交互にお受けになることを、おすすめします。
マンモグラフィーは毎年検査しても大丈夫ですか。
毎年受けても問題はありません。しかし、マンモグラフィ精度管理中央委員会では、2年に1度撮影するように提唱しています。これは、マンモグラフィ検査で写らないような小さながんは2年後であってもまだ早期のうちに発見できるという統計に基づいています。 また40歳代の乳房は、50歳代以上の乳房に比べて乳腺密度が高いため、より正確にがんを発見するため内外斜位方向撮影では映りにくい乳房内側を写し出す頭尾方向を追加撮影します。 さらに乳がんの画像診断としては、超音波検査があります。マンモグラフィ検査と超音波検査を行うことで、お互いの欠点を補うことができるため、当施設ではマンモグラフィ検査と超音波検査を交互に受診することをお勧めしています。

6.特殊健康診断

特殊健康診断を受診しなければならない根拠は何ですか。
労働安全衛生法第66条等、労働安全衛生法執行令や、有機溶剤中毒予防規則等労働安全衛生法に係る各種政令、省令、じん肺法第7条等が根拠となる法令です。
有機溶剤健康診断や特定化学物質健康診断で要再検査との判定がでましたが、どうすればよいですか。
再検査の判定がでた場合は、検査内容に異常がある場合や自他覚症状があった場合ですので、嘱託産業医又は各地域の産業保健センターにご相談ください。


その他ご質問がございましたら、お気軽にご連絡ください。